Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「然うさ。その検分も序にして来る」
「駄目でございますよ。あなたがお出になると纒まるものも壊れてしまいますわ」
「何故?」
「何故って、あなた、松浦さんのところは若い女の方揃いですもの」
「交際がむずかしかろうって言うのか?」
「えゝ」
「そこは如才なくやるよ。行ったら直ぐに顔を出す」
「それが案じられるのでございますよ」
「何故さ?」
「皆怯えてしまいますわ」
「そんなに怖いのかい? 俺の顔は」
「私は見慣れていますけれどもね。決してこの頃のお若い方に喜ばれる顔じゃございませんわ」
「人を馬鹿にしなさんな。新太郎の縁談が俺の顔で定りはしまいし」
と西川さんはプリ/\した。
「いらっしゃるとなれば何日でございますの?」
「早い方が好い。明日支度をして明後日立つ」
「急ね。真正に一人で大丈夫でございましょうか?」
「大丈夫とも。今まで店で働いていた身体だ。寝られない丈で他に異状は些っともない。それに行先は伜のところだ」
「寛一に送らせましょう。丁度日曜ですわ」
「心配なら然うしなさい。俺の病気のことは言ってあるまい?」
「えゝ、心配するといけませんから」
「何なら今夜お前から手紙を出して置いておくれ。