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Japanische Klassiker mit Furigana

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme

Aozora Bunko

何かちがう処があるのか。」

「同じさ。だけれどそういうのよ。改正道路の向へ行くと四部も五部もあるよ。」

「六部も七部もあるのか。」

「そんなにはない。」

「昼間は何をしている。」

「四時から店を張るよ。昼間は静だから入らっしゃいよ。」

「休む日はないのか。」

「月に二度公休しるわ。」

「どこへ遊びに行く。浅草だろう。大抵。」

「そう。能く行くわ。だけれど、大抵近所の活動にするわ。同なじだもの。」

「お前、家は北海道じゃないか。」

「あら。どうして知ってなさる。小樽だ。」

「それはわかるよ。もう長くいるのか。」

「ここはこの春から。」

「じゃ、その前はどこにいた。」

「亀戸にいたんだけど、母さんが病気で、お金が入るからね。こっちへ変った。」

「どの位借りてるんだ。」

「千円で四年だよ。」

「これから四年かい。大変だな。」

「もう一人の人なんか、もっと長くいるよ。」

「そうか。」

下で呼鈴を鳴す音がしたので、わたくしは椅子を立ち、バスへ乗る近道をききながら下へ降りた。

外へ出ると、人の往来は漸く稠くなり、チョイトチョイトの呼声も反響するように、路地の四方から聞えて来る。安全通路と高く掲げた灯の下に、人だかりがしているので、喧嘩かと思うと、そうではなかった。