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Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「あなたは探偵みたいな方、その男がわたくしの死顔も見ないで、その足で別の女の所に行って兼ねて約束しておいた時計だと言って、それをやったのよ、女は嬉しがり男はいい事をしたと思ったのでしょう。」

「その男っておばさまの、好い人だったの。」

「まあね、引き摺られながらも、いやでも、そうならなければならない場合が、わたくしにもあったんですもの。」

「おじさまは、その方の事を知っていらしった?」

「ごぞんじなかったわ。」

「おばさまはその人の事を隠して、言わなかったのでしょう、おじさまに厭な思いをさせたくなかったのね。」

「いえ、わたくしの事は何もお話したことがないし、お尋ねもなさらなかった……ただ、何時も見られているような気がしていたけれど、また何時もなにも無関心のご様子でもあったわ。」

「その時計を盗んだ方、憎らしいとお思いになる?」

「それほどでもないけど、男という者はみんなそうなのよ。」

「じゃ今頃、何処かの女の手頸にお時計がはめられているのね、いやね、死人の手頸からもぎ取った時計をはめているなんて、その女の人、おばさまご存じ?」

「一緒にはたらいていた事があったから、知っているわ、性質のいい人なのよ、だから騙されやすくて、騙されるのが嬉しかったのでしょう、そういう女だって沢山いるのよ、世間には。