Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

、第3水準1-90-91)冠の名前はない、悪小説家、悪作家という者がいたら、私なぞ悪文のかんむりは疾うにつけられているし、私自身も悪作家といわれた方がはるかに他の美名を貰うより潔い、だからこそ、この物語の穉気を自ら好むのである。そしてこれが悪作ならいよいよ悪作家と名附けられるべきである。煮ても焼いてもくえない悪作家という者は、見渡したところ何処にもいそうもない、そこに一人前に坐りこむのも小気味好い話である。

今日この原稿を綴じて終り、ふと毎月「新潮」の竹山道雄氏の手帖を読む例にならって、愛読の眼を凝らしてゆくと、「大宇宙の中で、われわれの生命は、(さながら大きな闇の中に弧をえがいて飛んでいく一つの火花のようなものだといったら、いちばん当っている。)」という数行に出会して、この原稿の最初に書いた私の二三行そっくりなのに、ひそかに驚いた。私は何時もこの遠くで消滅する光芒が絶えずキラめいていることを感じ、竹山道雄氏のそれもこの火花にカチ当てられたのである。偶然ではあるが、話のよく合う人と話をした数瞬を感じた。何十万年来の人間の爪跡を尋ねている竹山氏の文献も、そしてたわいない私の文章の往くところも、一つの不死身の火を感じたことでは、同じ思いが邂逅したわけである。