Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「おじさま、大きな声でそんなこと仰有ってはずかしくなるじゃないの、おじさまなぞは、お臀のことなぞ一生見ていても、見ていない振りしていらっしゃるものよ、たとえ人がお臀のことを仰有っても、横向いて知らん顔をしていてこそ紳士なのよ。」

「そうはゆかんよ、夕栄えは死ぬまでかがやかしいからね、それがお臀にあたっていたら、言語に絶する美しさだからね。」

「おばかさん、そんなこと平気で仰有るなら、あたい、もう遊んであげないわよ。人間も金魚もいつもきちんとしたことばを口にすべきだわ。お臀って自分で見られないように、後ろ側についていて、人間の中でも一生自分のお臀を見ないで死ぬ人さえあるのに、おじさまったらその秘密がわからないの、どんな映画だってお臀だけは写さないわよ。」

「このあいだ『殿方ごめんあそばせ』って映画で、ブリジット・バルドーがお臀を見せるところがあったよ。可愛いお臀だった、もっとも、はなはだ瞬間的のものではあったがね。」

「おじさま、いやなところばかり見ていらっしゃるのね、あたい、おじさまと遊ぶのがまたいやになっちゃった。」

「人間でも金魚でも果物でも、円いというところが凡て一等美しいんだよ、十くらいの女の子がおしっこをしているのを外で見かけると、吃驚していくらおじさまでも顔を反けたくなるね、自分というものを知らない