Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「原稿はお上手だったの。」
「ふつうの人と変ったところはない、寧ろ拙い方だったかも知れないね、ただ、飛び切った二三行くらいの面白いところが処々にあったくらいだ、それは男の人と友達になると、すぐ此の人もだんだんに親しくなって、言い寄って来ないかと、それが見え透いて来ることが恐いと書いていたことだ、そしてその男が田村さんに口説いてくると、一遍に、避けてしまうという妙なくせのある文章の人だったのだ。」
「おじさまもきっと、引きつけられていたのでしょう。」
「田村さんの小説がそんなふうなので、何時も先を越されている気がしていたんだよ、あの人がいま頃出てくるなんて事はないさ。」
「でも、あたい、ちゃんと見たんだもん。」
「へんな事が重なるものだね、」
「おじさま、何処かでお憩みにならない、銀座に来たわよ、あたい、塩からい物がたべたいわ。」
「降りよう、バーに行こう。」
「お酒あがれないくせに、よくこの頃バーにいらっしゃる。」
「彼処に坐っていると皆さんの酒気が漂うて来て、頬が熱くなって酔ったような気がするんだ。」
「いらっしゃいませ。」
「何か塩からいものを頂戴、それから、おじさまはなあに。