Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「じゃ別の鉢に入れよう。」

「え、そうして頂戴。あら、誰かが呼鈴を押したわ、お客さまよ、いま頃、誰方でしょう、もうお夕食の時間なのに。呼鈴もたった一つきりしか鳴らない遠慮深いところからみると、女の方らしいわ。」

「困るな、もう飯だし、……」

「出て見るわ。いらっしゃいまし、誰方様でしょうか。」

「ちょっと、お宅の前を通りあわせたものでございますからつい。」

「あの、ご用向きは何でしょうか、ただ今からお夕食をとることになっているんですが。」

「用事なぞはございませんけど、ただ、ちょっとお会いできたらと思いまして、あの、変なことをおたずねするようでございますが、あなたさまは、奥さまでいらっしゃいますか。」

「いいえ。」

「お嬢さまでしょうか。」

「いいえ。」

「ではお手伝いの方なんでしょうか。」

「いいえ。」

「秘書のようなお仕事をなすっていらっしゃるんですか。」

「そうね、あたいにも宜くわからないんですけれど、秘書みたいな役なんでしょうね、おじさまの事は何でもしてお上げしていて、それで、おじさまがお喜びになれば嬉しいんですもの。」

「おじさまなどと、平常おっしゃってらっしゃるんですか。