Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
茫洋とした、しかし硬いガラス玉を思わせるような焦点のない瞳で、だが博士は、あきらかに一羽の家鴨の目をしていた。
双眼鏡の女性は、はじめと同じ姿勢のまま、知らん顔で熱心に観察をつづけている。私は全身が慄えてきた。
「……ご紹介します」
と、また博士はいった。私は、やっと呼吸を吐いた。博士の目は、あの親しみ深い老人のそれにかえっていた。博士は、例のおだやかな微笑で私に笑いながら、しずかな声でいった。
「この雌の家鴨は、人間のミセス・デーヴィスがここに来られた翌日、どこからか迷いこんできました。そして、この一羽だけが、脳に傷をうけ仲間はずれにされていたあの家鴨に、最後まで親切にしてやってくれたのです。それで私たちは、それいらい、彼女をミセス・デーヴィスと名づけたのです」
私が奇妙な夢を見たのはその夜である。いまも、私は明瞭にその夢をおぼえている。
――ロレンス博士が、机に向っている。窓の外は闇だ。深夜なのだ。その窓ガラスに、コツコツと音がひびいてくる。そこに一羽の家鴨がいて、ガラスを嘴でたたいているのである。
博士が振りかえっていう。
「ああ、ミセス・デーヴィス。