Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
箱根。三浦半島。房総。伊豆。日光。交替でハンドルを握って。……そう、こっちには一度も来なかったな」
「……それが、今度はだんだんゴルフに凝りはじめて」妻は、無表情な声でいった。「はじめは景品もかならず持って帰ってきて私にくれたのに。この春ごろからはサッパリ。景品も、私へのお土産も、ひとつも持って帰ってこなくなった。いくらお仕事かもしれないけど、私、まるで忘れられてるみたい」
「……そう、春だっけね、あれは。まだ、このへんの山に桜の花が残っていたっけ」
「え? こっちに来たことあったの?」
妻はふいに夫の横顔をみつめた。真夏の白い道に照る光が、その瞳をきらきらと輝かせている。何の表情も読めない。
「この道をずっと行くとね、ゴルフ場があるんだ。あの日、僕はお得意の連中につれられて、車でそこへ行った。なんでも、彼らにはひどくツキのいいコースらしくってね」
無言のまま、妻は夫の顔を見ていた。夫は、微笑して振りかえると、すぐまた前方の道に目を戻した。
「でも、その日は雨でね。はじめは小雨決行だなんて意気ごんでたけど、だんだん本格の降りになって、とうとうゴルフはお流れになっちまった。