Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
……で、同じこの道を、僕は連中の車でいっしょに帰ることになった」
しだいに呼吸をつめたような顔になって、だが、妻は夫の顔から目をはなすことができなかった。
「すると、この先になるけど、小さいがしゃれた白い洋風のホテルがあってね。その前に、僕たちのこの車が停っていた」
「……嘘。嘘だわ」妻は、叫ぶような声でいった。神経質な手つきでハンカチをつかみ出すと、額や頬をおさえた。「同じ型の、同じ色の車なんて、いくらだってあるわ。そうよ、貴方の見間違えだわ」
「僕は、はっきりとナンバーも確めたんだぜ、この目で」と、夫は落着いた声でいった。「ちょうど雨が上りかけていてね。皆が残念がっていたのを憶えている。道は下りだ。スリップを避けて車は徐行していた。……そして僕は、そのときこの車に寄り添うように停った紺のトヨペット・クラウンから、守谷が降りてきてホテルに入って行くのを見た」
……突然、妻はヒステリックに笑いだした。
「呆れたわ。貴方って意外に想像力が豊かなのね。まるで、私と守谷さんとが、そこで逢引きをしてたみたい。……すごい妄想家ね」
夫はとりあわず、前を見たままでいった。