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Japanische Klassiker mit Furigana

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きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

乾いた喉に、よく冷えた椰子酒がさわやかに沁みていった。

「ほんとに、壺だけでいいのかね?」老婆は笑顔のままでいった。「儀式の話はいらないのだね?」

「いらない。それより一つでいい、あなたのつくった壺をわけてほしい。お金ならいくらでも出す」

老婆は、笑いながら二、三度たてに首を振った。

「それなら簡単だ。どれでもいいものを持って行くがいい。お金はいらない」

「本当か? いいのか?」

サンバードは、天にも昇る気持だった。

「ありがたい。いったい、なんでお礼をすればいいのだ? 私は、瓶や壺をあつめている。これで、私の蒐集はいよいよ見事なものになるのだ。ああ、こんな嬉しいことはない」

老婆はおだやかな目で彼をながめていた。しずかな声でいった。

「どうして壺や瓶をあつめるんだね?」

厄介な質問だった。彼は黙った。

「好きなのはわかっている。でも、どうして好きなんだね?」

真面目に答えるには、自分のポリネシア語の能力は不足すぎる、とサンバードは思った。笑って、彼は器の酒を喉にあけた。

「つまり、……つまりだね、瓶や壺は物だ。物は人間をだまさない。だから、私は人間よりも物のほうがずっと好きだ。