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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

王子は考えられました。なぜ千草姫は出て来てくれないのであろう。悲しいことが起こると言われたがそれはどんなことだろう。姫は亡くなられたお母様のような気がするが、ほんとにそうだろうか。なぜ私に何にも教えてはくれないのかしら。

そのうちに、悲しいことというのが実際に起こって来ました。城下のある金持が、白樫の森の木をすっかり切り倒して材木にし、その跡を畑にしてしまうというのです。城下にはだんだん人がふえてきまして、新たに家を建てる材木がたくさんいりますし、五穀を作る田畑もたくさんいるようになったのです。誰も反対する者がなかったので、王様も金持の願いを許されました。

王子はそれを聞かれて非常にびっくりされ、いろいろ王様に願われましたが、もう許してしまったことだからといって、王様は聞き入れられませんでした。

王子は悲しくて悲しくて、毎日ふさいでばかりいられました。けれどもそんなことには頓着なく、白樫の森は一日一日と無くなってゆきました。

ただ不思議なことには、森の大きな木が切り倒される度に、いろんな声がどこからともなく響きました。――鳥、鳥、赤い色――鳥、鳥、青い色――鳥、鳥、紫――鳥、鳥、緑色――鳥、鳥、白い色……そしてその度ごとに、赤や青や紫や白や黒や黄やその他いろんな色の鳥が、森から飛んで逃げました。