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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

キシさんは考えこみました。

ところが、キシさんのかわりに、ニャーオと……猫が鳴きました。太郎が上着の中にかくして抱いていたチロが、外に出たくて鳴きだしたのです。そしてあばれだしたのです。しかたがないので、太郎はチロを出してやりました。チロは喜んで、広間の中を駆けまわりました。

匪賊たちはびっくりしたようでした。それから、不思議そうにチロをながめて、ささやきあいました。

「まっ白な猫だ」

「金目銀目だ」

「金銀廟に祀ってあるのとそっくりだ」

太郎はチロを追っかけました。

「チロ、チロ……おいで、チロ……」

匪賊の首領はチロにひどく心を引かれたらしく、立ち上がってきてチロを捕まえようとしました。太郎はすばやくチロを胸に抱きあげました。

「いやだよ、これ、ぼくたちの大事な猫だよ」と、太郎は言いました。

「奇術の神様のお使いだよ。そまつにすると、ひどい罰があたるよ」

首領は座に戻って、腕を組んで、三人の奇術師のようすをながめました。

「どうも、不思議なやつらだ。とにかく、明日の朝、首きりの役を言いつけるぞ」

キシさんは平然と答えました。

「ひきうけましょう。奇術でやってみましょう。