Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
大勢の者がわいわい言って石を投りながら追っかけて来ます。五右衛門は一生懸命に駆けましたが、向こうは大勢です。かわるがわる追っかけて来るのですから、彼はへとへとに疲れました。息が切れて走れなくなりました。頭や背中には石を投げつけられて怪我をしました。この上捕まったら、どんな目にあわされるかわかりません。彼は下駄をぬぎ捨て、着物をもぬぎ捨てました、そしてまっ裸で逃げました。身体だけは誰にも見えないものですから、ようよう橋の下まで戻って来ることが出来ました。
彼はもうどうすることも出来ないで、裸の上からむしろをかぶって、がたがた震えていました。頭や背中の傷からは血が流れ出し、それがずきずき痛んで、身動きをすることさえ出来なくなりました。
今度は五右衛門も、まったく閉口してしまいました。夜になると、痛みと寒さとで今にも死ぬような思いをしながら、橋の上まではい出してきまして、ポンポンポンと手を三度拍きました。
白髯のお爺さんがひょっこり出て来てにこにこ笑っています。五右衛門は泣かんばかりに願いました。
「もう術はいりませんから、どうぞ着物を一枚と食物を少し下さいませ。