Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
顔が出て来ないと、何だかさびしいような気さえしました。
「今日はきっとあの顔が出て来るよ」
「出て来るかしら」
「出て来るとも。出て来るまでやろうや」
そしてみんなで、村のうしろの森はずれの野原にあつまって、円く輪になって坐りながら、「だるまさんのにらめっこ」を始めました。が何度やっても、空いっぱいの大きな顔が出て来ませんでした。みんなは意地っぱりになってなおやりつづけました。
するうちに、いつのまにどこから来たのか、見馴れない子供が一人、横の方につっ立って、にこにこしながらみんなの遊びを見ています。
みんなはふしぎに思って、その子供を取りまきました。穀物や野菜や牛や馬を買いに来る商人の外は、めったに人がよそから来たことのない、へんぴな村なんです。それなのに、ひょっこり子供が一人出て来たのです。
「君は誰だい」
「どこから来たんだい」
「何しに来たんだい」
「一人で来たのかい」
そんなふうに、みんなはかわるがわるたずねました。けれどその見馴れない子供は、何にも答えないで、ただにこにこ笑っているばかりでした。そしてやがて、ふいにいい出しました。
「僕もにらめっこにいれてくれないか」