Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
するうちに、ふしぎなことがおこりました。ある夜、その観音様がなくなってしまったのです。
だれか、悪者が、盗んでいったのでしょうか。
顔長の長彦と顔丸の丸彦は、方々さがしまわり、たずねまわりましたが、観音様の行方は、さっぱりわかりませんでした。
ところが、またふしぎなことには、その観音様が、七日たつと、もとのとおり、お堂の中にもどっていました。
それとともに、ふしぎなうわさが、ぱっとひろまってきました。――堅田の観音様は、七日のあいだに、あちこち歩いてこられたそうだ。京の清水の観音様や、大和の長谷の観音様など、なかまの名高い仏様にも会ってこられたそうだし、そのほか、あちこち、まわってこられたそうだ。その証拠には、足に、まだ泥がいっぱいついている。あれはありがたい観音様だ。生きた観音様だ。
そういううわさといっしょに、おおぜいの人たちが、お詣りにおしかけて来ました。
顔長の長彦と顔丸の丸彦は、お詣りに来た人たちから、そのうわさをきいて、びっくりしました。そしてともかくも、観音様の足をしらべてみますと、足のうらには、泥がいっぱいついていました。
その足の泥を、じっさいに見た人もたくさんありますので、うわさは確かなこととなって、ますますひろまるばかりでした。