Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
なお怪しいのは、そのわきに、馬が一頭、木につないでありました。そのへんに見なれない大きな馬で、栗色の毛なみはつやつやとして、額のまん中に白いところがあり、四つ足とも、ひずめの上の方だけが白毛で、じつに珍らしいりっぱな馬です。
顔丸の丸彦は、その男のそばに立ちどまって、じっと男を見つめました。もしやこの男が、へんなうわさをいいふらしてあるく悪者ではないかと、そんな気がしてなりませんでした。
男はじろりと丸彦を見あげましたが、だまって酒をのみました。
丸彦はそこにかがんで、だまったまま、男の茶碗をとって、徳利から酒をついで、ぐっと一口にのみほしました。そして男をじっと見ました。
こんどは男が、茶碗に酒をついで、一口にのみほして、そしてじろりと丸彦を見ました。
丸彦はまた、茶碗をとって、酒をついで、一口にのみほして、そして男をじっと見ました。
男もまた、茶碗に酒をついで、一口にのみほして、丸彦をじろりと見ました。
ふたりとも、ひとことも口をききませんでした。
やがて、丸彦は立ちあがって、馬のそばにいき、そのみごとな姿をじろじろながめました。
男はあぐらをかいたまま、だまって丸彦の方を見ていました。