Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
すると、まっ先になってた一人が、松明を高くさし上げて、こちらをじっとすかし見て、ふいに声を立てました。
「いたいた……徳兵衛さんが……」
一同の者は駆け出してきて、すぐに徳兵衛を取り巻いて、四方から松明の光をさしつけて眺めました。
「しっかりしなさい。さあ、もう大丈夫だ。徳兵衛さん……何をぼんやりしてるんです……狐に化かされたりして……」
背中をどんどん叩かれて、徳兵衛は初めて夢からさめたような気がしました。そしてまだ口が利けないで、眼ばかりぱちぱちやっていました。
そのようすがまったく狐に化かされた者のようでした。何しろ四日の間、着のみ着のままで、湯にもはいらないでいたものですから、顔も着物もまっ黒に汚れてしまっていましたし、社殿の床下からはい出してきたばかりで、頭には蜘蛛の巣までひっかかっていました。
「おや、酒の匂いがしてるよ」と誰かが言いました。
「なるほど、徳兵衛さんは酔っぱらってる。……化かしといて酒を飲ませるたあ、狐も開けてるな」
一同の者は喜び勇んで、徳兵衛を捕まえて胴上げをして、わいしょわいしょと村の方へ運んでいきました。
徳兵衛は皆から宙に支えられながら、今までのことをぼんやり思い出してみました。