Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
そう言って長者の子供は、白い塀の前につっ立ちました。その姿通りの影が、白塀の上にはっきりうつりました。それを他の子供たちが、墨をいっぱいふくました筆で写し取りました。
「影法師なんだから、すっかりまっ黒に塗らなけりゃいけないよ」
そして皆は影法師の形をまっ黒に塗り始めました。硯の水がなくなると、また小川の水を汲んできて墨をすりました。
そのうちに、太陽はずんずん昇っていって、塀にうつる影法師は小さな不格好なものになりましたので、長者の子供一人のだけで、他のは写し取れませんでした。
「また明日の朝にしよう」
二
毎日晴れた日が続きました。子供たちは朝早くから白塀の前に集まって、かわるがわる影法師を写し取りました。
そのことをおもしろがって、他の子供たちも集まって来ました。そして太陽が出たばかりの頃、日に二つか三つずつ影法師を写し取りましたが、日がたつにつれて、塀いっぱいたくさんになってきました。高いのや低いのや、肥ったのややせたのが、皆まっすぐを向いてずらりと並びました。墨でまっ黒に塗った影法師ですから、太陽がいくら高く昇っても、太陽が沈んで晩になっても、ちょうど人がつっ立ってるように、そこに、白い塀の上に、つっ立っています。