Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
トニイはわーっと大きな声で叫び立てました。奇術の紳士がはいってきました。
「どうしたんだ」
「おじさん、ついててくれなくちゃいやだよ。あいつが来そうで、僕こわいんだ」
「化け者か」
「いつやってくるかも知れないんだよ」
「しょうのない臆病者だね」
奇術の紳士は出ていって、やがてまたやってきて、トニイのそばのベッドにねました。
「おじさんは、ほんとにこわいと思ったことがあるの」
「そりゃあるさ」
「どんな時がいちばんこわかったの」
「そうだなあ……二年前、おれの乗ってた船が暴風にあって、沈んでしまい、おれは海の上にほうり出されて、まっ暗な夜、板一枚にしがみついて流された時は、こわかった」
「それから、どうしたの」
「救いあげられたよ」
「誰に?」
「今いっしょにいる人たちさ。お前はおれたちを何だと思ってるんだい」
「さあ、何だろうなあ……盗賊か、海賊か、密輸入者か、むほん人か……」
「はははは、あたったよ、実は海賊なんだよ。人にいったら、生かしてはおかないから、いいかい」
「大丈夫だよ。いいやしないよ。海賊っておもしろいだろうなあ」
「そのかわり、命がけだからね、あぶない仕事さ」