Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
許してくれ、おれが悪いんだ。おれの胸は煮えくり返るようだった。せめての思いに、金の包みを届けておいたが、受取ったろうね。それより外に、どうにもしようがなかった。一度海賊の仲間にはいると、それからぬけ出すことは、一同を裏切ることになるもんだから……。ああ、おれはどうしたらいいか。どうしたらいいか……」
彼はむせび泣いていました。母親も泣いていました。マリイも泣いていました。
トニイは顔をそむけて、窓から外をながめていましたが、その時、わざと笑いながら朗らかにいいました。
「とうとう僕の計略にかかりましたね。化け者のことなんか、みんなうそですよ。泣いたりなんかしないで、しっかりするんですよ。どうせもう、家族の者にあって、海賊の約束をやぶったんだから、思いきって、ぬけ出したらいいじゃありませんか。汽車にでものって、遠くに逃げちゃうんですね。あとは僕が引き受けます。絵はがき屋のトニイだ。街のトニイだ、海賊なんかごまかすのはわけはありません」
マリイの父親は、涙をふいて、立ち上がって、トニイの手をにぎりしめました。
マリイもトニイの手をにぎりしめました。
トニイはみんなと握手していいました。