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Japanische Klassiker mit Furigana

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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme

Aozora Bunko

ほかの木はいっぱい花をさかせ、小さな葉をだしているのに、その一本だけが、はだかのままで、さびしく立ってるのです。私はその近くを、いつまでも歩きまわりました。

がやがや、人声がしますので、ふり向いて見ると、小父さんが先にたって、四五人の村人がやって来るのでした。

縄や鋸や斧をもっています。

私はびっくりして、口がきけませんでした。村人たちはもう、枯れた木に縄をつけ、その根本を、鋸でひいたり、斧で切ったりして、うちたおそうとしています。こーん、こーん……という斧の音が、私の胸にしみ通ります……。

はっと、眼をあいてみると、私は部屋の中にねているのでした。窓から、斧の音がひびいてきます……。

私はとび起きました。窓をあけてみると、ぱっと朝日の光がさしていて、向こうの桜の木立のなかの大きな一本の枯木が、切りたおされかかっているところでした。

私はいそいで着物をきて、そこに行ってみました。桜の枯木はもう根本を切られて、ぐらぐらしていました。それを、二三人の村人が、縄で引っぱりました。枯木は大きくゆらりとうごいて、それからさっと横だおしにたおれました。ほかの木の花がひらひらとちりました。