Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
ぴかぴか光った赤いものを見せると、雷の神がすぐに落ちてくるから危ない、と物知りは言ったそうです。
「なに、危ないことはない。仕掛けがしてあるのだから」
けれども、そのぴかぴか光った赤いものというのは、一体何のことだろう、と長者は考えました。
「はて……」
その時ふと思いついて、長者ははたと膝を叩きました。また家来達に言いつけて、大きな日の丸の扇をこしらえさせました。畳二枚ほどもある大きな扇で、まん中に大きく金の日の丸を書いたものでした。それで雷の神を招き落とそうというのです。
三
さて、ある日、空にむくむくと入道雲が出てきて、それがふくれ上がり延び広がり、やがて空一面まっ黒になって、ざあーっと大粒の雨が降り出し、ごろごろと雷が鳴り始めた時、長者は庭の隅のあずまやの中に出ていきました。そして、庭の大木に仕掛けた網の綱を足でふまえ、いざといえばすぐにその綱を引っ張って網を落とすようにして、それから、大きな金の日の丸の扇をあずまやの軒から差し出して、空に向かって両手であおぎながら、雷の神を招き落とそうとしました。
扇には油が引いてありましたから、いくら雨に濡れても平気でした。