Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
顔は平たく、長い口髭をはやしていて、頭がひどく禿げていました。
その男が、チロを抱いてる太郎を見ると、つかつかと立ってきて、低くおじぎをしました。
「おう、よく来ました」
そしてチロの方へ、大きく開いた両手を差し出しました。
「おう、白いきれいな猫……金の目……銀の目……おう、よく来ました」
それからチロを抱きとって、部屋の中を歩きだしました。
「これ、名前、何といいますか」
「チロです」と、太郎は答えました。
「チロ……チロ……よい名前だ……チロチロ……」
そして彼はもう、チロだけしか相手にしませんでした。
部屋の中には人形や毬や汽車や、馬や猿や熊など、いろんなおもちゃがありました。彼はそれをとってきて、チロに見せました。チロはテーブルの上にじっとしていましたが、赤い人形の絵が描いてある大きなガラス玉を見ると、ひょいと片手を出し、それから匂いをかぎ、またちょっと片手を出しました。ガラス玉は、テーブルから落ちてころがり、チロも跳び下りてその玉にじゃれ始めました。
男はひどくうれしがって、ほかのガラス玉やゴム毬などを、いくつも転がしました。
チロはあっちこっち駆けまわっています。