Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうじんニコラ
超人ニコラ/大金塊
江戸川 乱歩
Lesen Sie 超人ニコラ/大金塊 (ちょうじんニコラ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 175.219 Zeichen · 350 Bildschirme
ふつうのむすめさんなら、こんなものを見たら、おくへにげこんでしまったでしょうが、光子さんは、にげません。光子さんは、たいへん、なさけぶかいたちで、かわいそうな人を見ると、だまってはいられないのです。
あるとき、道ばたにすわっている、おばあさんのこじきを見ると、つくったばかりの外とうをぬいで、そのこじきにきせかけたまま、さっさとかえってきたことがあります。
また、あるときは、子どものこじきを、自動車の中にひろいあげて、うちにつれてかえり、おかあさんに、そのこじきの子を、うちにおいてくださいと、たのんだこともあります。
光子さんは、そんなふうに、なみはずれた、なさけぶかい心をもったおじょうさんでした。
ですから、庭にあらわれた、こじきむすめを見ても、にげだすどころか、ちかづいてきたら、なにかしんせつなことばをかけてやろうと、じっとまちかまえているのでした。
こじきは、やがて、窓の下までくると、そこに立ったまま、ジロジロと光子さんをながめながら、みかけによらぬ、きれいな声でいいました。
「おじょうさん、なぜにげないの? あたしがこわくないの?」
光子さんは、それをきくと、この子はひがんでいるのだ、だから、こんな、ひにくなことをいうのだと、かなしく思いました。