Japanische Klassiker mit Furigana
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さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
Lesen Sie 避けぬ三左 (さけぬさんざ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.846 Zeichen · 22 Bildschirme
六
あ、やられた。早くもこのようすを見てとった榊原康政は、「三左を討たすな、国吉を討たすな」と喚きながら、自ら馬を駆って陣をとびだす、同時に旗下の軍勢も、わっと鬨をつくりながら怒濤の如く押出した。
六
三左衛門は、胸と胴に矢を四筋うけた。
しかし彼はぐっと槍を掴み、城門をねめつけたままさらに悠々と、大股に前進した。それは人間の姿ではなかった。人間力をはるかに超絶して、悪鬼とも羅刹ともいうべき姿だった。これを見た城兵たちは恐怖にうたれ、眼に見えぬ動揺がおこった。そのとき大将康政を先頭に榊原勢が殺到して来たのである。城兵の動揺はそのまま大きく敗走へむかった。
「突っ込め、敵はくずれたぞ」「ふみ破ってゆけ、敵を逃がすな」おめき叫びながら味方の兵は早くも城門へ城壁へとりついた。このあいだに、康政は馬を三左衛門のそばへ乗りつけ、なおも進んでゆこうとする彼をしかと押えつけた。
「三左、もうよい、城は落ちる、もどれ」
「お放し下さい」
彼はふりきってゆこうとした。しかし、もう力が尽きていた、彼の大きなからだはぐらっと傾き、そのまま康政の腕へ倒れかかった。
「源七郎、まいれ」