Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうしゅうのしじん よさぶそん

郷愁の詩人 与謝蕪村

萩原 朔太郎

Lesen Sie 郷愁の詩人 与謝蕪村 (きょうしゅうのしじん よさぶそん) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.038 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

夕立や草葉を掴む群雀

紙燭して廊下通るや五月雨

夕立や草葉を掴む群雀

急の夕立に打たれて、翼を濡らした雀たちが、飛ぼうとして飛び得ず、麦の穂や草の葉を掴んでまごついているのである。一時に襲って来た夕立の烈しい勢が、雀の動作によってよく描かれている。純粋に写生的の絵画句であって、ポエジイとしての余韻や含蓄には欠けてるけれども、自然に対して鋭い観照の目を持っていた蕪村、画家としての蕪村の本領が、こうした俳句において表現されてる。

紙燭して廊下通るや五月雨

降り続く梅雨季節。空気は陰湿にカビ臭く、室内は昼でも薄暗くたそがれている。そのため紙燭を持って、昼間廊下を通ったというのである。日本の夏に特有な、梅雨時の暗い天気と、畳の上にカビが生えるような、じめじめした湿気と、そうした季節に、そうした薄暗い家の中で、陰影深く生活している人間の心境とが、句の表象する言葉の外周に書きこまれている。僕らの日本人は、こうした句から直ちに日本の家を聯想し、中廊下の薄暗い冷たさや、梅雨に湿った紙の障子や、便所の青くさい臭いや、一体に梅雨時のカビ臭く、内部の暗く陰影にみちた家をイメージすることから、必然にまたそうした家の中の生活を聯想し、自然と人生の聯結する或るポイントに、特殊な意味深い詩趣を感ずるのである。