Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうしゅうのしじん よさぶそん
郷愁の詩人 与謝蕪村
萩原 朔太郎
Lesen Sie 郷愁の詩人 与謝蕪村 (きょうしゅうのしじん よさぶそん) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.038 Zeichen · 78 Bildschirme
月天心貧しき町を通りけり
とか「詩」とかの言葉を用い、漢詩風に意匠することを好んでいる。しかしその意図は、支那の風物をイメージさせるためではなくして、或る気品の高い純粋詩感を、意識的に力強く出すためである。例えばこの句の場合で、「酒屋」とか「謡」とかいう言葉を使えば、句の情趣が現実的の写生になって、句のモチーヴである秋風落寞の強い詩的感銘が弱って来る。この句は「酒肆に詩うたふ」によって、如何にも秋風に長嘯するような感じをあたえ、詩としての純粋感銘をもち得るのである。子規一派の俳人が解した如く、蕪村は決して写生主義者ではないのである。
月天心貧しき町を通りけり
月が天心にかかっているのは、夜が既に遅く更けたのである。人気のない深夜の町を、ひとり足音高く通って行く。町の両側には、家並の低い貧しい家が、暗く戸を閉して眠っている。空には中秋の月が冴えて、氷のような月光が独り地上を照らしている。ここに考えることは人生への或る涙ぐましい思慕の情と、或るやるせない寂寥とである。月光の下、ひとり深夜の裏町を通る人は、だれしも皆こうした詩情に浸るであろう。しかも人々はいまだかつてこの情景を捉え表現し得なかった。