Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つげびと

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

という。

世間には、ちょっとしたはずみで夫から打たれても、それをいっこう心にもとめず、打たれたあとからすぐ夫と仲よく話をする女がいくらもあるから、これは女性の特有性かもしれぬ。妻などはそれをすこしうまく発達したものであろうと、主人は考えている。

そう考えてみると、自分が妻にたいしてわずかのことに大声たててどなるのは、いささかきまりがわるくなる。それで近来主人は、ある場合にどなることはどなっても、きょうのようにしりを結ばぬことがおおいのだ。

乳しぼりというのは、五十ばかりの赤ら顔な、がんじょうな、人に会ってもただ頭をたてにすこし動かすだけで、めったに口をきかない。それでどうかすると大きな茶目を見はって人を見る。たいていの女であったら、気味わるがって顔をそむけそうな、すこぶる人好きのわるい男だ。

つれてきた若衆の話によると、乳しぼりは非常にじょうずで朝おきるにも、とけいさえまかしておけば、一年にも二年にも一朝時間をたがえるようなことはない。ただすこし頭の調子が人なみでないから、どうもこれまで一か所に長くいられなかったが、ご主人のほうで、すこしその気質をのみこんでいて使ってくだされば、それはそれはりっぱな乳しぼりだ、こちらのだんなならきっとうまく使ってくださるにちがいない、本人もそういってあがったというのであっ