Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
自分は疲れたように、空虚になった身を村に向かった。もう耕地には稲を刈り残してある田は一枚も見えなかった。組稲の立ってる畔から、各家に稲をかつぐ人達が、おちこちに四五人も見える。いつも村の入り口から見える、新兵衛のにお場や源三のにお場は、藁におが立ち並んで白く目立って見えた。
だんだん近づくにしたがって村の変わったようすが目にはいって来た。気がついて見ると、新兵衛の大きな茅ぶきの母屋がまる出しになっていた。椎や楠やのごもごもとした森がことごとく切られて、家がはだかになってるのであった。この土地の風習はどんな小さな家でも、一軒の家となれば、かならず多少の森が家のまわりになければならないのだ。で一軒の家が野天に風の吹きさらしになってるのは、非常にみにくいとなってる。「新兵衛の奴もういけなくなったんだな。」と思いながらやって来ると、村の中央にある産土の社もけそけそと寂しくなっている。
自分のなつかしい記憶は、産土には青空を摩してるような古い松が三本あって、自分ら子供のころには「あれがおらほうの産土の社だ。」と隣村の遠くからながめて、子供ながら誇らしく、強い印象に残ってるのだ。