Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
それが情けなく、見すぼらしく、雑木がちょぼちょぼと繁っているばかりで、高くもない社殿の棟が雑木の上に露出しているのだ。自分はまた気がおかしくなった。やるせない寂しさが胸にこみあげてきた。
その次に目に立ったのは道路であった。以前は荷馬車などは通わない里道であった道が、蕪雑に落ちつきの悪い県道となっていた。もとの記憶には産土のわきを円曲に曲がって、両端には青い草がきれいにあざみやたんぽぽの花など咲いていた。小さなこの村にふさわしいのであった。
それがどうである、産土の境地の一端をけずって無作法にまっすぐに、しかも広く高く砂利まで敷いてある。むろん良いほうの変化でどうどうたる県道であるといいたいが、昔のその昔からこの村の人々の心のこもってる、美しい詩のような産土が、その新道のために汚され、おびやかされて見る影もなくなっているではないか。したがってなつかしく忘れられないこの小さな村の安静も、この県道のために破壊されてしまっていやしないか。そう思って見ると、県道の左右についてる、おのおのの家に通う小路の見すぼらしさ。藁くずなど、踏み散らしじくじく湿っていて、年じゅうぬかるみの絶えないような低湿な小路である。