Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
ね、そう云った理窟でしょう。あっしにゃあ面倒臭え事あわからねえけどさ。」
親方は自分の取計に対して、誰一人異論を唱える者のないのを見てとって、すっかり酔が発して、ずうっと一座を見渡したが、片隅に腕を組んで、暗く黙している隣人に今更きびしい目ざしを止めると、わざと額に立皺を刻んだ。
「え、ありがてえじゃあねえか。こっちからくれったってくれねえのが当節なのにさ、さきさまからふんだんに下さろうって心持がありがてえじゃあねえか。え、途方もねえ高利の金を貸しやあがってさ、土百姓から一代のうちに、何十万とか何百万とかの金をつくったくせに、氏神さまの祭だ、町内のつきあいだって、幾度頭を下げて頼んでも、鐚一文も出さねえわからずやもありゃあ、こうしたもののわかった方もいらっしゃるってんだ。ね、こういう人間が五六人いてみねえな、町内はあかるくなるぜ。」
一座には、親方のおきまりのしつっこさに多少閉口している者もあったが、それよりも隣人に対する平素の不満が強くゆきわたっていた。意地の悪い視線は、その人の上に直射した。
「さあ、もう一廻して来ようか。」
彼は自分達の順番ではないと承知の上で、隣人の立場のあやうさを救うために、みずから拍子木を持って立上った。