Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
これからすっかり葉の落尽した眺めが何よりいいのだが、惜い事をしてしまったなあ。」
暮かかる縁側で、枝の折口の生々しく見える柿の木をいたいたしそうに、未練な事を云っていた。彼の心には、村中に柿の木が沢山あって、秋の今頃の美しい故郷の景色が、絵よりも鮮かに映って来た。
その郷里の家からは、烟草屋の二階に室借をしていた独身時代にも、時々林檎や柿を寄越してくれたが、今年は初茸と湿地茸を送って来た。きのこを炊込んだ御飯は、新吉が子供の頃の好物だったと嫂が代筆した母の言葉を書添えてあった。
「まあ、あたし初茸御飯なんて初めてですわ。どんなでしょう。松茸ならおいしいと思いますけれど。今晩直に炊いて見ましょうか。」
粗い竹籠の中からあふれるように出て来たのを手にのせて、おときは珍しそうに見ていた。十一月の初めの、時雨の降った後の寒い日であった。たきまぜの御飯の香は殊になつかしく思われた。
「そりゃあ松茸のようにうまくはないさ。くにの方にはそんな上等なものはありゃしない。初茸飯か、久しぶりで田舎に帰ったような気がする。御豆腐の御つゆがほしいな。」
新吉には、いかにも晩の食卓が楽みらしく、勤に出て行くにも張合のある姿だった。