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Japanische Klassiker mit Furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

「あたし初めてですけれど、おいしいわねえ。」

おときも、初茸の淡い香、滑かなようでしゃきしゃきする歯ざわり、噛みしめるとどこかに土のつめたさを含む味をほめた。

「今朝出がけにそう云った通り、お寺の人にも分けてやったかい。」

「ええ、御寺の奥さん大変喜んでいました。それでね、おうつりのしるしだって、柿を持って来てくれましたよ。」

「柿。」

「それがおかしいんですよ。庭の柿なんですって。あんなに渋い渋いと云っていたのにどうしたんでしょう。あたし達が盗るといけないとでも思って、そんな事を云ったんじゃないでしょうか。」

「そうかもしれない。」

「なんて憎らしいんでしょう。そんな事云わなくたって盗りゃしませんわね。」

ここに引越して来て以来、何べん梵妻の口ずから聞かされたかわからないのを思い出して、おときはしきりに忌々しがった。

「ああ食った食った。久しぶりで実にうまかった。初茸飯なんて田舎めかしいものを食うと、おやじやおふくろの顔が目に見えるような気がするなあ。」

番茶の焙じた香ばしいのをすすりながら、新吉は満腹して重たい体をもてあつかうように、食卓にもたせかけ、おときの顔を見て笑った。