Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
いつでも、こっちから求めさえすれば、求めるものは容易に与えられそうないきいきした希望と、流石にそれに伴う軽い不安とに、若々しく、健康で、浮気な胸をおどらせていた。
一郎と別れた外の者は、滑川に沿った砂山から海辺に出て、夕日の沈んで行く頃の、めっきり秋めいて冷い渚に、下駄や裸足の跡を残して歩いて行った。
中学時代から同級で、学問でも世間智でも、お坊ちゃん育ちの一郎と比べると格段に立勝っている澤は、先年父親の死んだ時、学資の関係で廃学しなければならなかったのを、一郎の父が息子の良友と見込んで、毎月の衣食費から月謝まで補助する事になったのであった。来年学校を卒業すると、一郎は洋行するはずになっていたが、澤は主人の主宰している会社に雇われる事にきまっていた。彼は小学時代から優等生の誇を持っていた。模範的の学生だという自信もあった。郷里では旧家として知られていたが、母は早く死に、父は政治狂で、山林から田畑まで全部を運動費につかって、幾度となく議員選挙の候補者に祭上げられたあげく、一度も当選の喜びを知らずに、一人息子を無一物に残して世を去った。夏休が来ても、帰るべき家は人手に渡ってしまったので、曲淵の一家にくっついて、その別荘にいる外には途がなかった。