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Japanische Klassiker mit Furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

昨夜の雨のまだ乾かない雑草の上に横倒しになって、甲子は又袂で顔をかくして泣き出した。

「乙子ちゃんは、乙子ちゃんは、乙子ちゃんは。」

つぶやくように、祈るように妹の名を繰返していた。一郎は手のつけようもなく、膝を抱いて黙していた。いったんはちりぢりになった同勢が、澤を先に、じいやを最後にして、一所に集った。乙子や養子は、どうせ死んだには違いないが、捨てて逃げて来た気持がして、誰しも申訳のない心持を持っていた。ここまで来ても、まだ海嘯が来そうな気がして、口もきけなかった。別荘のある山の下一帯は、既に全く海になったであろうと想像していた。

後の山はそいだように崩れて、赤い肌が生々しく、なお絶間なく岩石のなだれ落る音が凄かった。東と西に火の手があがって、急速に打つ警鐘は、山々に響いてこだました。水に追われた人と、火に追われた人が、今にも大きな地割がして、総ての人類は埋もれてしまいそうに脅かす土を踏んで、松林の中にかたまっていた。素早く戸板や蓙を持って来て、仮の場席をこしらえ、怪我人や子供を寝かしているのもあった。

「こりゃあ、こっちも蓙でも探して来なくちゃあなるまい。