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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme

Aozora Bunko

社会構造の人間心理をいみじく造花したものが勲章というものかなどというそんな感もふとわいた。そして客や家族らはきっと私がさっそく亡父母の仏壇にでもそれをそなえるのではないかと見ていたらしいが、私は妻にあずけたままでその日の接客と晩の放送局の用に暮れてしまった。そして今日までも私自身はまだついそれを手にとって見てもいない。おそらく生涯じっさいには用いることなどもあるまいから、いちどよく見て仕舞っておこうとおもっているが、以来忙日つづきでまだ出してみるひますらないのである。

望外なのはたくさんな祝辞を読者からいただいたことだった。日ごろの投書ともちがって、こんどのばあい、それぞれな読書歴や境遇や自身の生活などに加えて、私の迂著をどういう読み方で日ごろ受けとっていたかなどの感想をも、例外なしに、書き添えて下すったので、ありがたかった。それとまた、何十年間もお会いしていないような旧知からもおもいがけないお便りをうけたりして、なんだか、生きつつ自分の葬式の会葬者を目で見たようでうれしかった。すべてこの機会のたまものにほかならない。

その一つに。関東大震災の直後、ぜひなくまずい小説を書いて口を糊する心をきめ、冬から翌年まで、信州の山奥へこもっていたが、その折世話になった角間温泉越後屋の主人山本氏からの便りなど、わけて