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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへもって来て道路改修のコネまわしである。せまい旧街道に面している村、部落など両側の戸ごとはまったく空箱に泥を塗って並べたような廃墟状態におかれているのだ。――その中にも人が住んでいるにちがいないが――およそどの家々にも声さえないので、なおさら被害者の嘆きを思わずにいられなかった。

いったい、そんな犠牲者たちには、どんな慰藉の方法がとられているのか。私はついぞ聞いていない。近時、道路とそれの附帯問題とは、全国的といえようが、私が見た一部地方民家の、あの泥ンこな惨状などは、近代化の犠牲とだけいってしまうには余りにもひどすぎる。その多くは、山間部落で、いわば、山村の無知な民だが、もし東京都民でもあったら、あれを一日でも黙ってはおくまい。――もちろん、家は開けておけないし、生活にも精神的にも、どうしようもない憂鬱さだろう。――そんな家々を私は数日間の車のうちから、丹波地方の間でも随所に見た。おそらく全国では何十万戸といっていい泥の家の唖の住人が現下の近代化の蔭に泣いているのではないか。いちどグラフにでもとりあげて、この人たちのために世論へ訴えてもらいたいと思った。