Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
「そんなことまでいわないと、手術していただけないんですか。」
浜子はもう顔をあげて、かっきりと相手の目を見ていった。しかし床次女医は、ねこがねずみをなぶるようなゆとりで、
「そうですよ。だって、あなたはまだ未成年でしょ。おかあさんにでもきていただかないと、だめなんですがね。おかあさん、知らないの。」
「いませんわ、母なんて。」
「じゃあ親類の方でもいいのよ。とにかく今日は診察だけいたしましょうね。あした、どなたかと一しょにいらっしゃいね。」
浜子は急に目の前がくらくなったようにがっかりしながら、それでもなおとりすがる思いで、
「先生、おねがいです。お金はもっています。今日、していただかないと、困るんです。」
「お金の問題じゃあありませんよ。未成年――」
「それはわかっていますわ。でも、未成年が妊娠してるんです。もうこんなことしませんから、わたしを助けてください。お願いです。お願いです。」
泣いてたのみながらも、その自分の一言一言がかえって望みを消してゆくのを浜子は感じた。
「さ、あとのかたがまってるのよ。」
寝台の方へ押すようにされるのを浜子はふりきってさけんだ。