Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
」
「?」
「わたし、栗本さんちのだれにも、あいたくないのよ。」
「何でまた。具合の悪いことでもあったのかね。」
その、身につまされたような顔をみると、浜子はいきなり、
「おじさん、わたしね、妊娠してんのよ。」
「ええっ。」
「おろしたいのよ。」
「何だって?」
「わたしがまだ、未成年だもんで、ひとりじゃあお医者が引きうけてくれないのよ。おじさん、わたしの父親になって、お医者さまへついてってくれない。よろしくたのむっていってくれればいいのよ。」
いともかんたんに浜子はいう。
兵六さんは、事の重大さに、ふーむ、としばらくは思案がつづいた。浜子はしごくかんたんにいっているが、第一医者や費用についてはどうなるのか、六十の兵六さんにとってはすべて見当のつかぬことばかりだ。もしかして、夏樹の貯金をそれにあてたいとでもいうのだったら、兵六さんのせっかくの計画も成就しないうちになしくずしになってしまうではないか。それは困ると彼は思う。ちゃんと耳をそろえて、夏樹にかえしたいのだ。それだけが今の彼の生活目標ででもあるかのように思って、兵六さんは、いかにも年長者らしく構えていった。