Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
「浜ちゃん、門しめないで、おとうさんまだなのよ。」
すると思いがけない文吉の声で、
「おれだよ。」
「あら、おとうさん、かぎかけないで。」
がっかりして式台に腰をおろしていると、声でわかったらしく安江も出てきた。
「なんだこれ、なんのまじないだ。」
柳の枝を払いのけるようにしながら文吉は敷居をまたぎ、音枝のかっこうに、
「どうしたんだ。」
「柳で、目をしぶかれたの、つい忘れてて。」
「大丈夫かい?」
と、安江ものぞきこみながら、
「兵六さんがきましてね、節句だというので、小豆島流に桃と柳を飾ってくれたのよ。」
不きげんにいう安江に、文吉は文吉で、やはり一種の不きげんさをふくめて、
「珍らしい人がきたね。何の用事で?」
「あなたにあって聞いてもらいたいことがあるんですって。」
安江が小声になったので、くつをぬぎかけていた文吉は思わずふりかえり、やはり小声で、
「まだいるのか?」
「ええ。それがもとで、てんやわんやなの。」
そのとき安江はふとものの気配を感じてガラス戸に目をやった。風もないのに柳の糸がゆれたと思ったのだ。おりて戸をあけると、いきなり柳の枝にほおをなでられた。