Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
非常に懐かし気な眸で余を見守っていた。殆んどもう婚約は出来た。しっかりやろうぞ。「秋風記」プランを立てているがうまくゆかぬ。少し今日は憂鬱である。今夜は夜明かしで土地の盆踊りをみる積り。をも来る筈、今は夕刻である。
盆踊りを見て来た。踊りには一定の「振」はない。ただ男と女とが密接して環をなし、躰を揉み合うようにして廻り乍ら唄うのである。唄には独特なものはなく、然も三種位の節があって、「環」毎に節が異なっている。殊に面白いのは娘共が大変に元気で、音頭取りをやっていることである。非常にワイルドで、また極めて肉感的である、情欲そのままである。月はない、娘達も若者達も全く何のこだわりもない、解放されている。露深い草地に営まれるであろう彼等の愛に祝福があるように。さて寝よう。末子よ卿によき夢があるだろう。(八、一五)
「を」の文字わが日記より消え去る。唯それのみのこと。昨日彼女の兄と「を」とが会った。殆んど話は決った。昨夜は独り晩く帰って来て、当代島で最後の盆踊りを見た。今は朝である。早朝雨を冒して堀の浜辺へ出かけて行った。途中あまり雨が激しくなったので養魚場の土堤で、ポプラの並木の下で佇んだ。