Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
また貧乏が来る。厭なことだ、どこからも通信なし。頻りに旅を想っている、奥羽の方へ行ってみたい。金が欲しい。今夜は温かい静かな夢があるような気がする。もう寝る。平安吾が上にあれ。(二五八九、三、二五)
昨夜から降りだした雨が続いている、静かな雨だ、今日は為事をした、「裸婦」十二まで書いた。石井信次から便りがあった。二十九日に来ると云う。高梨の家へ「ひで」と云う娘が来ている、浅草育ちのはすはな娘だ、平気で恋のことなどを明らさまな好奇心を以て話し興じていた。門歯の下が二本、所謂味噌っ歯という奴、うすい唇で鼻のつまった声、黝いつぶらな眼でじっと人を見る。高梨の妻君に云わせると「色気のついた眼」である。炭を買った。今は十二時である。(二五八九、三、二七)
今日石井信次が来た。妻君は殆んど全快。されど未だ家事にも就けぬ由。家庭内の紛擾をもらしていた。渠も苦しんでいる。一緒に今井から葛西の方を三時間ほど歩いた。余が挫けていると思って見舞って呉れたのだ。ああ、妻君の心尽しとかで水餅を持って来て呉れた。「裸婦」十五を書きはじめたが止めた。あしたからやる。今夜も早く寝る。