Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
何方かと云えば末子により多く似ていただろう。背は低かった。髪は少し茶っぽかった。姉さんらしい余り綺麗でない人と手荷物を持って、盛装していた。何処かへ旅に出るらしい容子だった。今井で電車に乗合せて、自動車も市内電車もひとつに乗った。五度ばかり、じっと、末子に似た眸で、清に似た注視を予に与えた。何処の人で、何処へ行くのだろうかと、予は温かい気持で、〔久しく触れなかった愛の感じで〕姉妹を考えた。
今日は高梨夫妻に誘われて篠崎堤の桜を見に行った。桜は十二分に咲いていた。人は余り出ていなかった。土堤下の草地で醜く酔い痴れた数組の男女が、涸れた声を振絞っていた。厭なことだ。今日は何も為ずに寝る、明日は早く起きて推敲を急ぐだろう。六日の月夜だ、川は静夜の色に淀んでいる、風は南風だ。暖かい。酔漢の声が時折土堤の方でしている。平安吾が上にあれ。(四、一六)
ピエエル・ロティの「氷島の漁人」を読んだ。是は両三年前、シネマで見たことがある。全篇青色く冷たい霧に包まれた中で、つつましいヤンとゴオドとのロマンスが、さあさあと絶えず流れる風に吹かれて営まれた。大きくパン・ポルの湾を見下ろす断崖の斜面の草地、そこで行き会うヤンとゴオド。