Japanische Klassiker mit Furigana
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あおべかにっき
青べか日記
山本 周五郎
Lesen Sie 青べか日記 (あおべかにっき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.334 Zeichen · 76 Bildschirme
高梨の贅りでそれを見た。風がない。良い月夜だ。(四、二三)
高梨から金を借りた。感謝している。妻君にも高梨にも感謝している。今日は飢えた一日だった。飢えてはだめだ。為事も何も出来ない。矢張り大きな為事をするには食・衣・住が相当に充実していなくてはだめだ。
為事をしなかった。酒を呑んだ。ずいぶん矛盾する話だ。弟から手紙があった。幸いに壮丁検査に第二乙で免れたと。明日からする。為事をする。(二四)
水を流そうと思うなら
流そうと思う方を
水の在る場所より低く
掘らねばならぬ。
「流れよ!」
と云った丈では
水は流れはしない。〔二四〕
凝乎と、絶えず
深く、鋭く見究めろ
一から二、二から三――と
繭をほごすように
じりじりと繰って行け。――若し
それでも書けなかったら
ねてしまえ。〔二四〕
此の仕事をする者には
富貴も、安逸も、名声も
恋も無い。
絶えざる貧窮と
飽く無き創造欲とが、唯
あるばかりだ。
知っているか?〔二五〕
高梨の家で語り更かした。江戸川亭で酒を馳走になった。十枚程推敲した。今は午前二時半だ。寝る。本当の生活をしようと思う。働こうと思う。(二五八九、四、二五)
高梨の妻君が蓄膿症で鼻を切開せねばならぬと、鯖の味噌漬を馳走して呉れた。