Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

岡崎敬之助はその友達で、少し三枚目畠の男ですが、案外したたかな魂の持主で、何時の間にやら若菜を面白がらせる術を体得し、藤井薫の地位を少しずつ侵略して居たのです。

こんな社会の消息なら、誰よりもよく諳んじて居る千種十次郎は、いろんな事情を考え乍ら、乗ったタクシーの尻を引っ叩くような心持で、代官山の長島博士の門口へ着きました。

木立の蔭、研究室と覚しきあたりには、赤々と灯が点いて何やら人の気配もします。

もう一時を過ぎたでしょう。

千種十次郎は、妙な期待に軽い興奮を覚え乍ら、二度、三度、呼鈴を押しました。

玄関の扉は明かずに、

「どなた?」

変なところから声を掛けた者があります。振り返ると、お勝手の窓が開いて、六十恰好の婆さんが、臆病そうな顔を出して居るではありませんか。

「関東新報の者ですがネ、先生に一寸お目にかかり度いと、思いますが――」

千種は延び上りました。

「もう一時過ぎですが――明日の事にして下さいませんか、先生もお休みになったかも知れません」

「いや、まだ起きてますよ、あの通り灯が点いて、――何んか変な音がして居るじゃありませんか、大変な事が起ったんですから、一寸でも逢い度いと申上げて下さい」