Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
な女であった。
女が私の属性の中で最も憎んでいたものは不羈独立の魂であった。偉い芸術家になどなってくれるなと言うのである。平凡な人間のままで年老い枯木の如く一緒に老いてみたいというのである。私が老眼鏡をかけて新聞を読んでいる。女も老眼鏡をかけて私のシャツのボタンをつけている。二人の腰は曲っている。そして背中に陽が当っている。女はその光景を私に語るのである。そうなりたいのは女の本心であった。いくらかの土地を買って田舎へ住みましょうよ。頻りに女はそう言うのだ。
そういう女だから私が不満なわけではない。元々私が女を「所有」したことがいけないので、私は女の愛情がうるさくて仕方がなかった。
「ほかに男をつくらないか。そしてその人と正式に結婚してくれないかね」
と私は言うが、女がとりあわないのにも理由があり、私は甚だ嫉妬深く、嫉妬というより負け嫌いなのだ。女が他の男に好意をもつことに本能的に怒りを感じた。そんな怒りは三日もたてば忘れ果て、女の顔も忘れてしまう私なのだが、現在に処して私の怒りの本能はエネルギッシュで、あくどい。女が私の言葉を信用せず、私の愛情を盲信するにも一応自然な理由があった。