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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

してくれ、小さくちぢんだ顔はそれだけでもう元々涙をためているように見えるのであった。

それでも按吉は色々と言葉をつくして、たとえ女房が浮田と失踪しても必ずしも肉体の関係があるとは限らない。元々痴情の家出ならともかく、亭主と喧嘩して飛びだす、そういう場合は別で、自分はさる娘と十日あまりも恋愛旅行をしたことがあるが娘は身をまかせなかった、女房も今度の場合のような家出はそんなようなもので、一応は必ず肉体的なことはイヤだと言うにきまっているのだから、相手がまだ学生で坊ちゃんの浮田のことだからそれを押してどうすることになる筈がなく、極めて感傷的な旅行にくたびれているぐらいのところだろう。むしろ機会を失し、帰るに帰られず煩悶しているのかも知れず、それやこれやで御両名遂に心中というようなことになってもなお肉体の関係はないかも知れぬ。世上の俗事は、案外そんなもので、一向人目につかず亭主に知られぬような浮気に限って深間へ行っているもの、こういう派手な奴は見かけ倒しで、両名却ってただ苦しんでいるぐらいのところだ、などと慰めた。そしてまだ陽のあるうちに、さっさと帰ってきてしまったのだ。