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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

「居ねえの? 戸波」

戸波の妻君は女給あがり、至って不作法で亭主を尻にしいてフテ寝好きの女で、部屋の中からブツブツ怒り声で、

「居ないわよ」

「どこへ行った?」

「そんなこと、知らないわよ」

庄吉はそれきり黙って戻って行った。戸波がこのとき家にいれば、元より何ごともなかったのである。

庄吉は縁側へきて、坐っていたが、イライラ立って部屋の方へ、座敷からピンポン台のある部屋奥の部屋それを無意味に足早に歩いて又縁側へ戻ってきて、イライラ坐った。ちょッと坐っていたかと思うと、又ぷいと立ち上って子供部屋へはいった。

それから十分、戸波が帰ってきた。今三枝さんが呼びに来たわよときいて、玄関からはいらず庭先から縁側の方へ廻ってきた。戸波はいつも庭先から廻ってくる習慣なのである。

子供部屋は縁側の外れにあった。この部屋はちょうど屋根裏に似て、天井がなく、梁がむきだしてあり、その梁が六尺ぐらいの高さでしかない。つまり物置のようなものをつけたして、縁側をひろげたわけ、板の間で、椅子テーブルが置いてある。洋間のようになっているが、扉がないから、庭先から中の気配が分るのだ。

何か人の気配がする。