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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

高木は十日ぐらい過ぎてからアテネ・フランセへ何食わぬ顔でやってきた。二人は静かな場所へ行って、

「信濃の武勇伝のみやげはないのか」

頭からのしかかるように私は皮肉を言ったが、「知っていたのか」彼は惨めに悄気た。一途に落胆を表わして、

「死ぬのが馬鹿げたことぐらい分りきっているよ。だけど僕の生理には欠陥があるから、どうにも仕方がなくなるのだ」

そのとき私は自分のひどい我儘に気がついた。友達の不幸な立場に思いやりを持たないことに気付いたのである。

そのころ私達は酒など飲むことがなかったのに、銀座裏のバーへはいり(一番静かそうだから這入ったのである)一番高い洋酒をでたらめに註文して、黙って睨合っていた。そういう店へ私が初めて這入った記憶であり、女がやってきたが、私達が睨合っているので退散した。

瀬戸内海の海で、やりそこなったこともあるし、自宅で薬品自殺して分量が多過ぎて却って生返ったこともあった。そのたびに手記が私の所へとどき、私は彼と睨合うために出掛けなければならなかった。

ある夏の早朝電報がきて、私は渋谷の彼の家へ行った。

十四、五――私はむしろ小学校の六年生ぐらいだと思った――少女がでてきて、私を座敷へ案内した。